学校図書館メディアの種類と特性─その総合的考察

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学校図書館がその利用者に提供すべく収集する資料、情報の種類は、高度情報化社会の進展にあいまって、急速に多様化してきている。こうした中でその分類上の補完を鑑み、従来、「学校図書館資料」として位置づけられていた各種資料メディアに、デジタル化されたデータ等を含む情報メディアを加え、形態、形状を問わず、学校図書館が収集、提供するあらゆる資料、情報を総じて「学校図書館メディア」と称するようになった。

また一般図書館(公共図書館等)と学校図書館との区分の上では、学校図書館メディアを「教育メディア」として捉えることもできる。

いわゆる従来形の資料メディアとは、図書に代表される印刷メディアとビデオテープ等の視聴覚メディアであり、情報メディアとしては放送通信メディアやコンピュータメディア等に大別される。

これらの学校図書館メディアをその形態、形状別に分類し、各々代表例を挙げて、その特性を考察する。

印刷メディア:図書、逐次刊行物等

  • 各種図書館メディアの中でもその主たる資料といえるのが図書であり、また、一口に図書と言っても、その形状、内容共に様々である。調べ学習等の情報検索作業に役立つ辞書や事典、図鑑等。いわゆる読書の対象物としての物語、伝記、小説等。あるいは漫画や絵本も含まれる。大小様々の形状のものがあるが、大半は携行性に優れ、電源や特殊な装置、機器を要せず、特別な技術も必要ないため手軽なメディアとも言える。
  • 検索性能についてはデジタルデータに劣るため、主に辞書、事典等はCD-ROM等のメディアへの移行が進んでいる。

視聴覚メディア:CD、ビデオテープ、スライド等

  • CDやDVD等のデジタルデータの一部もこのカテゴリーに含まれる。定義としては静止画、動画、音声等を収録したメディアであり、個人あるいは集団に関わらず試聴可能な形状、形式のものである。特別の機器、装置を必要とし、主に視聴覚学習のために提供される。内容としては映画や音楽、語学学習教材、あるいは研究発表等の図表資料等。
  • デジタル化されているものに関しては、マルチメディア環境において、各種情報メディアとの相互編集も可能であり、総合的な学習の時間等での研究課題としても有用であろう。

放送通信メディア:テレビ、ラジオ、電話等

  • テレビ等の放送系のものについてはマスメディアとも言い換えられる。放送と通信の融合に関しては、昨今世間を賑わしているところだが、放送のデジタル化とも呼応し、将来的にボーダレス化が進むであろう。
  • 現状では、マスメディア(放送メディア)は個対多数の伝達手段であり、通信メディア(有線、無線電話、電子メール等)は個対個の伝達手段と定義される。また近年、普及し始めている光ファイバ等の高速通信網を利用したテレビ会議システム等は、国際規模での遠隔地間相互学習等をも可能にする。

コンピュータメディア:CD-ROM、インターネット等

  • 総じてマルチメディアとも称される。双方向性が最大の特徴であり、この点で特に既存のマスメディアと区別される。パーソナル性、情報加工の容易性にも優れる。
  • CD-ROMをはじめとするコンピュータ用の記録メディアは、ここ数年の間にも形状、容量共に多様化し続けている。メーカー各社の開発競争、規格の覇権争いも激しく、結果的に淘汰され、あるいは代替わりにより短命に終わるものも少なくないであろう。また、これらのメディアを再生、編集するための機器、端末についても相応期間毎の更新が不可欠であり、より効率的、経済的に運用するためには適正に見極める専門性が求められる。
  • インターネットについては、閲覧、検索が主な機能であり、その汎用性はすでに高い。特に調べ学習等においては効果的であり、今後ますますその占める割合が高まるであろう。将来的にはウェブサイトの構築等についても学習活動の一手段として考えられる。
  • 有害サイトやネット犯罪、コンピュータウィルス等の問題点も少なくなく、学校図書館としての収集作業においては特に注意を払う必要がある。またこの観点からも、利用者の情報リテラシーの健全な育成が不可欠と言えよう。

印刷メディア、視聴覚メディアについては、時代とともにさらなるデジタル化が進むことが予測される。また特に、情報メディアを構成する放送、通信、コンピュータの各メディアについては、高次元で相互に融合されるべき分野も多く、技術の発達とともに流動的であるため、時代や環境に応じた概念的分類も随時更新されることが望まれる。

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