赤坂タイムラー

含蓄ある一言!?

公開日
文責
アカサカ ヒカル

京都の寺から仏像を盗んだ三重の男が逮捕された。
このニュースを受けて、汐留局の夕方の報道番組では、局アナの男性キャスターがこう紹介した。

— 京都のお寺の住職が含蓄(がんちく)のある一言です。

で、紹介された住職の発言はこうだ。

まぁ、罰が当たるかどうかは本人次第でしょうねぇ。 恨むというよりは、仏様が帰ってきたことを喜んでいます。

参考までに【含蓄】の意味は次のとおり、

1. 内に含み持っていること。
2. 言葉などの、表面に現れない深い意味•内容。「—のある話」
大辞泉/小学館

内容に深みのあること。「—のある言葉」
新辞林/三省堂

仏門にある者が、犯人を恨まないというのは至極当然の態度ではあるが、いったいこの僧侶の発言のどこに含蓄があるのか、私にはさっぱりわからない。
無論、唐突なインタビューにごく普通に応えたにすぎない住職には、何らの落ち度もない。

つまりテレビのニュース番組というのは、こういうものである。
大半の局アナの教養レベルは、この程度なのである。
時間との勝負でもある生放送での時事報道の編成が、ある程度やっつけ気味になるのは理解できなくもない。
最終的には、視聴者へ向けて言葉を発する表現者としての、キャスターの力量に依るところが俄然大きいわけだが、「住職」と聞いて、ただ枕詞のように「含蓄のある―」とつなげてしまう短絡さには呆れてしまう。
仮にそれが、書かれた台本上の台詞であったとしても、キャスターを自認するならば、一読して自分の言葉(かつ適切な表現)に直せるレベルが必要なのではなかろうか。